国際頚椎学会⽇本機構 A-P 交流委員会「THE 2nd INTERNATIONAL SEMINAR OF CERVICAL SPINE SURGERY」のご報告
この度、2004年6月1日にネパールの脊椎外科の先⽣⽅との交流事業、INTERNATIONAL SEMINAR OF CERVICAL SPINE SURGERYの第2回ウェブセミナーを行いました。
第1回は 2024年2⽉3⽇にウェブ開催され、両国から101名もの先生方が参加くださり、今回はネパール、カンボジア、シンガポール、台湾、韓国、日本から75名の先生方にご参加いただきました。ネパールからDr. Shresthaが、日本から私北村がモデレーターとして参加いたしました。
今回からセミナーのテーマを設定いたしました。今回は”Cervical Trauma”のテーマのもと、群馬大学整形外科教授の筑田博隆教授から、” Early versus delayed surgery for incomplete cervical spinal cord injury with pre-existing cervical stenosis: The earlier, the better?” をご講演いただきました。世界的にも結論が出ていないトピックであり、日本で行われたランダム化比較試験の結果と、それに基づいた現在の治療方針について解説していただきました。その後、⽇本側からは神戸大学整形外科の由留部崇先生が、上位頚椎の固定術における様々な手術手技について、それぞれのメリット、デメリット、適応とコツについて発表されました。ネパール側からは Dr. Pokharelがネパールの頚椎・頚髄損傷の疫学と診断遅延例の治療方針について、Dr. Chaudharyが頚椎脱臼骨折に対する手術アプローチをいかに決定するかについて、それぞれこれまでの治療経験を共有され、いずれの発表に対しても活発な討論が行われました。外傷の病態だけでなく、異なる社会背景が治療の実際に反映されていることを実感する、⼤変勉強になる機会でした。セミナーの最後に、約20年前にネパールと日本の交流を始められたProf. BachuRamKCと鐙邦芳先生からclosing remarkがなされ、盛会のうちにセミナーは終了いたしました。
本ウェブセミナーは各国の若手同士が日々の臨床における疑問を議論し、そして異文化交流できる貴重な機会ととらえています。ウェブセミナーは今後も3-4ヶ⽉毎に開催する予定ですので、ぜひ今後とも、特に多くの若手の先生方にご参加いただければ幸いです。
A-P交流委員会委員
北村和也