ネパールの脊椎外科医との症例検討会開催記
アジア・パシフィック交流委員会副委員長
千葉市立海浜病院整形外科
古矢丈雄
当法人主催による標記Web症例検討会を2025年7月19日に開催しましたので報告致します。本症例検討会は、脊椎脊髄外科診療を通じネパールの脊椎外科医、アジア諸国の脊椎外科医との交流を深めるため、3-4か月に一回の頻度で開催しているWeb症例検討会です。今回が5回目の開催となりました。
2000年代初頭はネパール全体で12名しかいなかった脊椎外科医も、鐙邦芳先生が主宰する人事交流の成果が実り、現在は100名を超えております。医療レベルも年々上がっており、脊椎脊髄外科領域においては、すでに「我々が彼らに一方的に教える」時代は終わり、対等な議論が可能となっております。今回もネパール側の提示症例では、すでに我々の(少なくとも私の)予想を超えた術式を完璧に遂行されており、診療レベル、手術技術レベルがさらに上がっていることに驚かされました。土曜日午後~夜の時間帯にも関わらず、検討会にはマレーシア、シンガポール、韓国からの参加も含め82名の聴講がありました。質問も絶えず、ネパールより2演題、日本より2演題、合計4演題の大変興味深い症例の検討を無事盛会に終えることができました。
ネパール側の当番世話人を務めていただいておりますDr. Dipak Shresthaは15年来の旧知の仲であります。彼は次世代のネパールの脊椎脊髄外科を牽引するリーダーの1人としてご自身の研鑽はもちろん、現在は後輩育成や診療設備の拡充にも力を入れ、ネパールの脊椎外科の発展に大きく貢献されております。彼からあふれる脊椎脊髄外科診療への情熱を感じることで、私も毎回パワーをいただいております。
最後になりますが、症例検討会準備に際し、多大なるアドバイスをいただきました高畑雅彦委員長、清水敬親理事長、三原久範副理事長、國府田正雄事務局長、アジア・パシフィック交流委員会委員の先生方に深謝いたします。また、開催の辞を快くお引き受けいただきました鐙先生にも深く御礼申し上げます。引き続き、アジアの医療の発展と交流に微力ながら貢献していきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。


